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ANOTHER DIMENSION製カメラ用クイックリリースを買ってみました。この中華ブランドについてはよく分かりませんが「ANOTHER DIMENSION(異世界)」と名乗るだけあって、中華圏らしい丸パクり商品を堂々と安価にリリースしています。
■クイックリリースとは
このクイックリリースは、どのようなものか?というと、カメラの底面にある三脚穴に小さなアダプターをねじ込んで装着し、受け皿側となる部分をズボンのベルトや、バッグパックのショルダー部分に取り付ける事で、カメラの持ち運びを楽にすると共に、容易な着脱機構によりシャッターチャンスにも迅速に対応できるようにしたもの、です。
元々は米国ピークデザイン社が開発・販売している「Capture」というクイックリリースがオリジナルで、私の買ったANOTHER DIMENSION製クイックリリースは、いわば「パチモン」に相当します。
カメラ、それも一眼レフカメラのような大きさのカメラを持ち運ぶ用途としては、一般的に思われるのは(そしてよく見かけるのは)肩からかけるストラップ型かと思われます。ただ、肩がけのストラップは意外に厄介で、例えば相応に重さのあるカメラを肩から掛けていると肩こりの原因になったり、また、歩いている時に不意にブラブラしたりと動き回る際には結構邪魔だったりします。
他にもカメラストラップには肩当て部分に滑り止め加工がされていたりするので、肩がけの状態からカメラを手にして構えると服が捩れて不快な思いをするなど私は以前より肩がけストラップは殆ど使用していません。
私の場合、従来は腰のベルト部分にカラビナを装着し、カメラ側に付けたOリングに通す形で「腰」で持ち運びして(腰ベルトにぶら下げて)いました。夏場など軽装時はこれでも問題ないのですが、秋冬など丈の長いコートを着ると腰ベルト部分にブラさげたカメラへのアクセスが難儀になる(コートを一々捲り上げて、となる)為、以前より気になっていたクイックリリースを購入しました。
■本家はピークデザイン社のCapture
カリフォルニアにあるピークデザイン社。その創業者が4ヶ月に渡る世界旅行を行った際に、いちいちカメラをカバンから取り出して撮影する動作の面倒さを解決するために開発したクイックリリース「Capture」が全ての始まり。同社はキックスターターでの資金調達を経て起業し、現在では各種バックパックやショルダーバッグの開発・販売を手がけているブランドへと成長しました。
本家ピークデザイン社のクイックリリース「Capture」は、高精度なアルミ削り出しで作られているだけあって、お値段も$69.95(ヨドバシカメラ参考価格:9,720円 ※2019年2月現在)と、微妙に高額。便利そうなのは分かるのですが、その値段から手を出し難いアイテムだったりします。
(※後日談:結局、中華パチモンのクイックリリースは壊れ、本家peak designのcaptureを買うことになりました→詳しくはコチラ)
しかし、Amazon等のネット通販サイトを探すと、このピークデザイン社Captureを模した安価(およそ2,000円〜3,000円程度)な中華商品がいくつか見つかり、その1つがANOTHER DIMENSION社のクイックリリースという訳です(因みに私の購入時で2,480円でした)。
中華パチモンは基本的に本家ピークデザイン社の「初代Capture」もしくは「Capture V2(第2世代モデル)」を模しているのが特徴で、私の買ったANOTHER DIMENSIONも、第2世代モデルを模したものと思われます(因みに本家Captureは細かな改良を重ね、V3(第3世代モデル)がリリースされている)。
■ANOTHER DIMENSION社のクイックリリース
中華パチモンなクイックリリースにもいくつか種類はある中で、私がANOTHER DIMENSIONを選んだのは、最も外観が地味(黒一色)だったから。バックパックのショルダー部分に装着した際に悪目立ちする色使い等も無いシンプルさが良かった為です。
このANOTHER DIMENSION製クイックリリースも、一応はアルミ削り出しで作られていますが、工作精度はそんなに高くない感じ。日常的な使用に支障はありませんが、本家Captureのような着脱の際に感じるカチッという工作精度の高さから来る満足感はありません。
尚、特段製品に説明書きは無いのですが、台座のネジを締める事で、クイックリリース機能にロックをかける事もできますので、不意にリリースボタンを押して外れてしまう事態を防ぐこともできます(本家CaptuerのV1〜V2の構造と同じですね)。
また、私の場合、カメラの三脚ネジ穴への装着に不安を感じたので、上記画像のように「ばね座金(スプリングワッシャー)」を間にかませる事で、しっかりと装着できるようにしてみました。
上記画像ではコンパクトデジカメ(の中では比較的大きなサイズ)のキヤノンPowerShot G11を装着した状態です。ショルダーに装着すると其れなりに前に飛び出すので存在感はありますが邪魔にならない位置なのが良いですね。
■実際に使ってみて
バックパックのショルダーに装着する運用を試すべく、キヤノンの一眼レフカメラ「EOS 7D Mark2」に、シグマの単焦点レンズ「30mm F1.4 EX DC HSM(=旧モデル)」の組み合わせで散歩に出かけてみました。
正直、片側への荷重が多くてバランスが悪く、歩く度に片側の肩が引っ張られるような感じが続きます。肩こりになりそうで、明らかにカラビナで腰に付けていた時より負担感がありました(EOS 7D Mark2の重量 910g + SIGMA 30mm f1.4の重量 400g = 合計 約1,310g)。
また、一眼レフカメラの重さ故に、あまり意識せずに不意にバックパックを肩から下ろそうとしたら、一気に地面に引っ張られる重さが掛かってしまい、注意しないと地面にカメラをぶつける、なんて事態にもなりかねません。
それでは、もう少し軽い装備を・・・という事で、コンデジとしては(かなり)大きなキヤノンの名機(迷機?)「PowerShot G1X」(約540g)でも試してみました。
このサイズ感&重量感では、とてもバランスも着脱感も良く、ベストマッチと感じます。(腰ベルト装着では無く)バックパックのショルダーに装着を想定されている場合には、500〜600g前後の重量を1つの目安にするのが良いかな、と個人的には感じました。
■まとめ:微妙に便利、故に3,000円程度なら納得
前述のように500〜600g前後のカメラなら便利に使えると感じましたし、旅行などでバックパックにカメラを取り付けて両手が自由になるのもメリットだと感じます。
ただ、アルミ削り出しの工作精度が幾ら素晴らしいからといって、本家Captureのお値段($69.95、ヨドバシカメラ参考価格:9,720円 ※2019年2月現在)を出すに相応しいアイテムか?と言われると正直疑問。
要はタイトルにもあるように「微妙」なんですよね。そもそも、どんなシーンにもマッチする、という類のものでは無く、ニッチなシーンでは「とても便利」、大方の利用シーンでは「まぁまぁ便利」、重たいカメラを使うシーンなど場合によっては「不便」という感じです。
そう考えると、パチモンとは云え、2,000円〜3,000円程度でよく似た機能を果たせる中華製クイックリリースなら限られたシーンでしか便利に感じないとしても好意的に感じられるのではないでしょうか・・・[了]