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電動キックボード「Kintone α」のバッテリーとECU(電子制御ユニット)を交換しました。作業自体は難しくありませんが、とても手間が掛かりますので、ご紹介します。
尚、この作業をDIYで行うことで、正規の保証や修理依頼が出来なくなるので、あくまで自己責任でお願いします。
■はじめに〜交換に至る経緯
2018年10月の記事「電動キックボードはラスト・マイル・ビークルの夢を見るか」で紹介したように、電動キックボードの割と初期に発売された「キントーン α(Kintone α)」を購入したものの、累積走行距離がわずか30kmを超えた辺りで故障(バッテリー残量が豊富にあっても突然電源が落ちて再起動もできなくなる現象が発生)してしまいました。
販売元の株式会社アース●ップに相談するも、保証対象外と突っぱねられ(わずか30kmチョイしか走ってないのに、保証期間180日を若干過ぎていたので)仕方なくDIYで修理することになりました。
電動キックボードの修理に詳しい人に相談したところ「キントーンα」はECU(電子制御ユニット)の故障が多いようで、実際、メルカリやヤフオクを見ると私と似た現象の故障で不動車となったキントーンαが安値で出品されています(因みに前述の販売元に確認したところ「そのような類似の症状はありません」との回答でしたが)。
せっかく修理でバラすついでにバッテリーも大容量のものに交換する事としました。
■用意したもの(交換用パーツ)
前述のように私の場合はECU交換がメインのため、まずは「(1)交換用ECU」を調達。Aliexpressで購入すれば送料込みで2,400円弱で売られています(届くまで1ヶ月半ほど掛かりますが)。
他にもメルカリやヤフオクで3,000〜5,000円程度でキントーンαから取った中古パーツがたまに売られていますので、こちらの方が確実かもしれません。
次に用意したのが「(2)交換用バッテリー」。電動キックボードのバッテリーにはキントーンαのようにハンドルのポール部分に埋め込まれた細長い筒状のバッテリーを用いるタイプと、キックボードの足を載せるボード部分に積む平べったいバッテリーのタイプがあります。
私のキントーンαに搭載されていたバッテリーは、中国・深センにあるBangsheng Energy Technology社製のもので、公称電圧24V、容量4.4Ah、充電電圧29.4V、全長は実寸で46.5cmのものでした(上記写真の上側)。
交換用バッテリーを選ぶにあたっては、電圧などの値を考慮するのは勿論ですが、キックボード本体に装着可能な「長さ」も大切です。
今回、交換用に選んだバッテリーは、同じく中国製なものの、製造メーカーは不明という怪しげなもの(苦笑)。価格は12,000円程で、長さは実寸48cm。交換前バッテリーの容量4.4Ahに対し、その2倍である8.8Ahを誇る大容量(!)。これで実走行距離も大幅アップが期待できます。
本当は韓国LG製のバッテリーで同サイズ・同容量があったので評判の良いそちらが欲しかったのですが、ずっと品切れ状態で入手できなかったので、詳細不明な中華製を購入するに至りました。
■交換方法(キントーンαの分解方法)
それでは、電動キックボード「キントーンα」の分解について。基本的には前モデル「キントーンAir」の分解方法に似ていますが、あまり詳しく紹介したサイトが見つからなかったので、参考までに掲載します。
手順等が間違っている可能性も否めませんので、自己責任でお願いします。
まずキックボード本体に見える六角ボルトを外していきます。最初に前照灯まわりから。
次にキントーンαでは、キントーンAirと違ってボルトがメーターで隠れてしまっているので、メーター部分を開ける必要があります。
上記画像のようにメーターパネル部分にカッターナイフ等で慎重に隙間に挟みながら、少しずつこじ開けていきます。この際、無理にやると固定ツメが折れてしまうので慎重にいきましょう。
メーターパネルを開けると上記画像のようになります。赤丸で囲んだ2つのネジを外すとハンドルバーがボロっと外せます。
尚、上記画像を見ていただくと分かりますが、私は新車で購入して初めて開けるにも関わらず、このネジの頭は2つとも既に潰れていました(苦笑)。電動ドリルで無頓着に組み立て作業をした中国の工場が目に浮かびますね・・・
ハンドルバーが取れるのは良いのですが、配線が繋がっているので邪魔なので、ハンドル部分も分解します。まず左右のグリップは力を込めて握りながら回すと外れるネジ回し式になっていますので、外します。
次に配線が繋がっているアクセルとブレーキのレバーを外すため、上記画像の赤丸にある六角ボルトを緩めていきます。そうするとハンドルバーから左右レバーを抜くことができます。
ハンドルバーを外すと、その下に六角ボルトが見えるので、これを緩めることで蓋状のカバーを外せ、ECUとバッテリーにアクセスできるようになります。
このキントーンαの面倒くさいところが、上記のようにECUから伸びた沢山のコードのコネクタ部分が熱伸縮チューブで覆われている点です。
このようにコネクタ部分が1つ1つ熱伸縮チューブで覆われており、コネクタに直接アクセスできません。このチューブは、防水と抜け防止の意味でつけられているものと考えますが、防水コネクタを使わずに熱伸縮チューブで覆うところがコストカットなのでしょうね。
上記のように配線1本ずつ熱伸縮チューブにカッターで切り込みを入れて破いて取り除いてコネクタにアクセスしていきます。
・・・これが面倒なんです、ほんと。なぜなら組み立て時は逆に1本ずつ熱伸縮チューブを装着し、ヒートガンやドライヤーで熱をあてて縮めさせねばならない訳ですからねぇ。無駄に時間を要します。
次に、キックボードのポール根元に移動し、ここにある4つのボルトを外します。
これでポールを外すことができます。ポールの中に筒状にバッテリーとECUが収まっていますので、慎重にゆっくりポールの外側を上に押しやるようにしながら、中のバッテリーを引き抜きます。配線されているので、無理に力をかけないよう慎重に行います。
上記画像のような状態でバッテリーとECUが連なって入っています。この辺り、10万円クラスのミドルレンジ電動キックボードだと簡単にバッテリー交換できるように構成されているのですがね・・・
ECUを見ると、余った配線がテープでグルグル巻きにされてて美しくありません・・・。安物ですから仕方ないですね。。。
ECUを交換する為、元の配線を間違わないように1つ1つメモをして(iPad Proで写真に撮ってペンでメモ書きを加えながら)作業を進めていきます。熱伸縮チューブを1つ1つ破きながら・・・この辺りで面倒になってイヤになってきます(苦笑)。
ECU交換はせずにバッテリーだけ交換する方は、バッテリーから伸びている線だけを相手にすれば良いのですが、それとて絡んだ配線をほぐしながら作業する訳ですから結構面倒です。
元のバッテリーより交換用に用意したバッテリーは1.5cm長かったのですが、問題なく収まりました。正直、もっと長くても入りそうですが、前述のECUから伸びる配線の逃げ道が無くなって難儀するので48cmの長さが適度な余裕もあって良さそうです。
バッテリーとECUの交換が終わったら、あとはここまでの手順を順番に辿って組み立てていきます。
組み上げ完了、正しく電源も入り一安心。さっそくマンションの駐車場にて試走したのですが、飽きるほど乗り回してみたもののバッテリーゲージは中々減りません。さすが8.8Ah!
・・・と、このように作業自体の難易度はそれ程でも無いのですが、とにかく億劫なので、時間とココロに余裕のあるときに作業される事をオススメします(苦笑)。【了】
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