先日の記事でKindle書籍の読み上げ機能を用いた自炊オーディオブック作成を紹介しましたが、スマホアプリ「J.Score」に搭載されている無料オーディオブック機能を試してみたくて、J.Scoreをインストール&登録してみました。
話題の書籍がラインナップされていて魅力的なのですが、その一方で多くの個人情報との引き換えを余儀なくされるアプリなのが悩ましいところです。
関連記事: Kindleの読み上げMP3化をFire7とZOOM H1で自炊した際の備忘録
https://pelicanlovers.com/?p=1155
J.Scoreとは、みずほ銀行とソフトバンクが共同出資して設立した消費者金融業者、要は「金貸し」です。そのため(私もそうですが)借金を必要としていない多くの人には本質的には無意味なアプリです。
しかし、このアプリが注目を集めたのは、その貸付額の査定に「AI」を用いたことと、その審査となるAIによる「自分のスコアづけ(格付け)」をネット上で簡単に行える点にあります。
つまり、自分自身の「スコア(=社会的信用度)」を「試しに測ってみよう」と、遊び感覚で試せる。個人を特定しない範囲での個人情報の提供が必要ですが、勤め先の規模や勤続年数、雇用形態や収入は勿論、現在の借金額や家族構成、住んでいる地域、持ち家か借家か、出身大学、TOEICの点数、などかなり細かく入力していくことでスコアの精度が増していき、そのスコアに応じて貸付額の限度と年率などの条件が提示される、という仕組みのようです。
このJ.Scoreと無料オーディオブックと何の関連があるか、というと、J.Score側の説明では、意識高い系ビジネス書籍や自己啓発本を読むことで自身のスキルを高め、それと同時にアナタのスコアも上がる=貸付額の限度が上がる(より多くの借金ができる)という事のようです。
「これらの本を読んでオマエも少しは意識高くなれ」と無料で電子書籍(と、その読み上げオーディオブック)が提供されているようです(タテマエはともかく、本当の狙いは何なのかは分かりません)。
センシティブな個人情報の提供とのトレードオフになりますが(本人を直接には特定することは出来ない情報のみの提供でスコアは出ますが、万が一にも情報流出とかしたら、間接的にはある程度の本人特定も不可能では無いとも考えますので、オススメはしませんが)ちょっと興味があったので登録し試してみました。
登録後、無料で提供される電子書籍(と、その読み上げオーディオブック)は、アプリ内の「ハビットチェンジ」(=習慣の変化)から「学習習慣」を選択することで現れます↓
電子書籍のラインナップを見ると「ビジネス本」「自己啓発本」がズラズラと出てきます。それも、少し前に話題になった有名書籍が出てきます。
ただし、読める(&オーディオブックとして聞ける)のは、それら本の「要約版」です。大体、1冊を文字数にして4,000字程度、オーディオブックの再生時間として15分程度に要約されています。
これをメリットと感じるか、デメリットと感じるかは人それぞれですが、私はこの「要約版」という点に魅力を感じました。
試しに幾つか聞いてみましたが、著者の主張となる部分にはちゃんと触れているので、1冊まるまる読まなくても内容は大体理解できる要約になっています(=読書感想文を書ける程度には理解できます)。
そして更に便利なのは、1.5倍速再生が可能なことです。読み上げを行ってくれるのは機械音声(人口音声)では無く、人間のナレーターなので、とても聞きやすく、1.5倍速再生でも楽に聞き取れるのも良い点です。
総じて、話題の本を楽チンに網羅でき、尚且つオーディオブックとして耳で聞ける、しかも15分程度(1.5倍速なら10分程度)で1冊完了できるスピーディーさは、とても魅力的と感じました。
・・・ただし、個人情報と引き換えですけれどもね。[了]
※スコアについて。私も試しにやってみました。私自身のスコアが何点だったか、には言及しません・・・
だって、ネットとか周囲とかでこのスコアにガチで挑戦して自分のスコアを晒している人って「いやー、つれー。俺のスコアはXXX点だったー」と、むしろ高得点を自慢しているのばかりだった為です。そうした遠回しな自慢の仕方は私も大好きですがね(苦笑)。
J.Scoreはあくまで、金貸し業者が「コイツには幾らカネを貸しても、ちゃんと返してくれるか」を採点するスコアでしか無いので、貯金残高や、イザという時に換金可能な資産(持ち家など)をどのくらい有しているか、にも大きく左右されます。いわゆる中国の「社会信用システム」のような絶対的な社会的信用の指数では無い点を踏まえる必要があります。
私が自分で試した経験上や、これを試した他の人の意見とスコアを聞く限り、およそ以下のようなランク付けなのかな?と推測します(下記の表は私個人の感想です、あしからず)。
スコア | 推察される人物像 |
---|---|
900点 以上 | 十分に資産もあり社会的地位も高い人。 所有する資産から一定収入を得ている、 株などの資産を大量に保有している、 など、給与所得以外の資産運用による 収入があるような人。 (そんな人が消費者金融から 借りる必要があるか疑問ですが・・・) |
800点台 | 給料の良い仕事に就いている人。 まだまだ稼ぐ余地のある年齢で 借金も少ない人。 借家な人は有価証券など現金化できる 資産をそれなりに持っている人。 もしくは割と良い家を持っている人。 |
700点台 | 正社員でフツーに働いている人。 預金や証券等の資産を多少持っている もしくはマンションなどの一般的な 個人住宅を持っている人。 |
600点台 | 収入はそれなりでも非正規雇用だったり 正社員でも既に借り入れが多い人。 現金化できる資産も少ない。 |
600未満 | お金を借りたら支払いキツイ。 きっと貸してくれない・・・ 貸してくれても条件は相当に悪い。 |
因みにスコアをあげようとウソを申告しても、AIがその不自然さを的確に見抜いてスコアは上がらないようになっているそうですよ。