自分の1440もタイヤが壊れてしまい、記事を大いに参考にさせていただきなんとか修…
2016年に登場したZEISSの名を冠するiPhone用コンバージョンレンズ「ExoLens with Optics by ZEISS Wide-Angle Lens Kit」(※因みにExoLensはエックスオーレンズと読む)。画角を0.6倍に広角化する、よくあるiPhone用外付けレンズ。
・・・が、使ってみると凡ゆる意味で他とは決定的に異なるレンズであり、貴重な体験となりましたので、発売から3年経過し、既にディスコン(販売終息品)となったこのレンズのレビューを敢えて今、掲載いたします。
結論から言うと、間違いなく「神レンズ」・・・
ですが、これを喜んで使える人は限られているのが正直なところ(私は喜んで使っています)。
まず写真撮影における描画性能について。一言でいうならば歪みが少なく、隅々までシャープな描画。iPhoneの標準カメラが持つ色合いには影響なく、歪みも最小なまま広角化できるのは素晴らしいです。
私の愛用するiPhone 8 Plusは、約28mm相当の画角ですが、ZEISSのExoLensは更に0.6倍の約17mm相当にまで拡大。
上記画像は撮って出しの画像を貼り付けてみたのですが、お気付きのように色合いやコントラストは標準カメラの味付けそのままに広角化されているのが分かります。
つまり、ZEISSのレンズを被せたからと云って変に色合いが変わることなくピュアに広角化してくれている点が何気に素晴らしい点だったりします。
歪曲度合いを見るために撮影したレンガの壁面。
まったくの補正ナシ状態、iPhoneの標準カメラアプリでの撮影ですが、おどろく程に四隅が歪みも少なくシャープに描画されていることが分かります。
これがiPhoneのカメラレンズの上に被せたレンズで撮っている事を考えると、その凄さを改めて感じます。
夕暮れ時のススキノ交差点。夕陽を受けてポジフィルムような鮮やかな発色が印象的です。
HDR撮影で無いものの、空も白飛びせず鮮やかなグラデーションを保ってくれています。
また、手前右下に写るタクシーを見てもイヤな歪みはしておらず、寧ろタクシーのせり出し具合が強調されるような形で写っている点もZEISSレンズの実力と考えます。
ススキノを流れる鴨々川。
iPhone標準カメラアプリ側にてHDR撮影しています。川の水面も、夕陽のグラデーションも美しく再現。
iPhoneのカメラ故に木々の細かな葉を拡大表示で見ると、ややガシャガシャした感も否めませんが、普通に見る分には立体感に溢れているのが分かります。
円錐形のガラス構造物を下から見上げて撮影しているのですが、頂点まで難なく納めてしまう超広角ぶりが分かります。
また、直線が歪みなくシャープに伸びている様子は素晴らしい描画です。
続いては、動画撮影における比較。動画で見るのが分かりやすいと考え、YouTubeにアップしてみました。
検証には、一般的なiPhoneに外付け装着するワイドアングルレンズとして比較対象にbitplay SNAP!用の0.68倍レンズ(定価3,370円:消費税8%含む)を用意。
因みに値段の事に触れて来ませんでしたが、ZEISS ExoLens Proのワイドアングルレンズは価格が27,000円(発売時はiPhone6/6Plusのみに対応で25,000円でしたが、後にiPhone 7/7Plusにも対応したアダプターに変わり27,000円に上昇)もします。
ひと目で分かる違いは、比較対象としたbitplayの0.68倍ワイドアングルレンズは、スマホ外付けレンズにありがちなGoProで撮影したような(良く言えばダイナミックな)魚眼風の歪曲が生じ、さらに全体的にシャープ感が落ちています。とくに顕著な四隅は歪みと解像感の低下が大きいのが分かります。
対して8倍以上の価格差があるZEISS ExoLens Proでは(広角倍率がさらに大きいのに)歪みが最小限に抑えられ、四隅の流れも抑えられ、解像感もあります。
iPhone8Plusでの動画撮影については以前に別記事でもご紹介しましたが(「iPhone8 Plusで動画撮影」https://pelicanlovers.com/?p=1114)、iPhone8 Plusにおける動画撮影時の焦点距離は約38mm強(明確な数値は非公開な為に不明)と昨今の基準では若干狭いため、広角化するワイドアングルレンズは重宝します。
約38mm強の0.6倍と言う事で、約24mm相当となり、一時期のコンパクトデジタルカメラで流行った画角に近くなり、屋内外での使い勝手が格段に向上します。
また、超広角動画はGoProの登場以来、魚眼風のワイド感が流行りとなりましたが、「適度にワイドな画角でありながら歪みは少ない方が良い」 or 「もう歪曲の大きな超広角動画は飽きたよ」、という人にも最適です。
神レンズなのは確か・・・ですが、
これを気に入って使いこなしたとして、果たして27,000円の投資分に見合う働きをしてくれるのか?というと、正直微妙なところもあり、万人にオススメできるようなモノではありません・・・
描画については前述のように(私も何種類か過去に試してきたような)一般的なスマホ取り付け型レンズとしては圧倒的な性能と言えますが、その高価さ故に、余程の好事家しか手に取らない商品とも言えます。
そのため、リリース当時こそ話題になったものの、実際に使用しているユーザーが少ないのか、実際のところどうなのかイマイチ伝わり難いレンズなのも確か(なので私もこうして長々とレビューを書いてみた訳ですが)。
また、大きくて重たいのは高級感がありますが、何より取り回しが悪いです。レンズに付属する小さなクリップを介してiPhoneに取り付けて構えると、装着したレンズの重さでバランスが崩れて手から落としそうになります(勿論、落としたらiPhoneもレンズも割れてしまうリスクがある訳で・・・)。
その為、私はbitplay SNAP!という物理シャッター内蔵のiPhoneケースに入れて使っています。
このbitplay SNAP!はグリップを装着することができ、更にZEISS ExoLens ともマウント径が互換のため装着できます。
ケースがあるお陰でレンズの中心にビシッと装着できるのも良いです。よくあるクリップ式で挟むタイプの外付けレンズは中心点を探すのに一苦労しますからね。
因みに、私のbitplay SNAP!では、
買ってきた状態でケースを装着してもiPhone 8 Plusのカメラ部分とケースのマウント径部分がうまく合致せず(1mmも無い程度のズレでレンズの中心点から外れていた)最初は難儀しました。
これは、iPhone 8 Plus用の「bitplay SNAP! 8」が、iPhone 7 PlusとiPhone 8 Plusの両方に対応している事に起因するのでは無いかと推察しています。
というのも、iPhone 8 PlusとiPhone 7 Plusでは縦0.2mm/横0.2mmと僅かにiPhone 8 Plusの方が大きいサイズのため、この0.2mmの差がレンズの中心点を僅かにズラすと考えられます。
そこで思いきって、ケースの内側を丸刀の彫刻刀で少し削ることで0.2mmのズレ微調整を敢行。ようやくiPhoneレンズの中心点と、装着するレンズの中心点とがピッタリと合致するに至ります。
bitplay SNAP!は便利ですが、こうしたアバウトな部分もあるので注意が必要です。
小加工こそしたものの、いまではbitplay SNAP!のケースとZEISS ExoLensは相性バッチリ。
もしZEISS ExoLensを試してみようと考えている方は、bitplay SNAP!のケース購入を検討すべきと考えます。〔了〕