• 米国PELICAN社のペリカンケースなどハードケース愛好家のためのサイト
    FOSTEXもイヤホンケースにペリカンを採用

    FOSTEX(フォステクス)というブランド名、オーディオ好きの方ならご存知でしょう。日本のフォスター電機が展開するオーディオブランドです。

    「フォスター電機?聞いた事ないぞ」という人でも、かつて一世を風靡したiPodの純正イヤホンをAppleにOEM生産していた会社といえばイメージできるかも知れません(あの白コードが印象的なイヤホン、音が良かったですよね)。
     
    そんなFOSTEXが2018年に発売した高級イヤホン「TE100R」(税別148,000円)及び「TE200」(税別168,000円)には冒頭の画像にあるペリカン1010ケースにFOSTEXのブランド名を冠したダブルネームでの専用ケースが付属しました。

    FOSTEXの高級イヤホン「TE100R」

    オーディオ業界の実力者であるFOSTEXが自社の高級イヤホンにペリカンケースを選んだ理由を考えていくと、ペリカンケースが如何にイヤホン収納ケースとして優れているかが見えてきます。

    現在一般的に流通しているイヤホンには音を鳴らす機構であるドライバーユニットの違いから大きく「ダイナミック型」と「バランスドアーマチュア型(BA型)」と呼ばれる2種類に大別されます。
     
    詳しい解説は他サイトに委ねますが、高級イヤホンに用いられる事の多いBA型(またはダイナミック型とBA型の両方を取り入れたハイブリッド型)イヤホンは、湿気による錆が発生することでドライバーユニットの動きが悪くなる、と一般的には言われています。
     

    私たちの住む日本は高音多湿な事に加え、耳に装着するイヤホンはどうしても蒸れやすく、知らず知らずのうちに湿気の多い環境下に晒されていると言われます。そうした意味でもイヤホンの保管には湿気の影響を受けにくいケースでの保管が大切という話も一理ありますよね(私見ですが、湿気の影響でBA型のドライバーユニットに影響が出るような環境なら、ダイナミック型でも少なからず悪影響を受けると考え、湿気が問題なのは何もBA型に限った話では無いと考えます)。
     

    FOSTEXが自社の高級イヤホン用ケースに選んだのは、ペリカン1010ケース(外寸149mm × 103mm × 54mm)でした。

    ペリカン1010ケース

    ペリカンケース全般に共通して、自動気圧調整バルブが装備されていますが、この機構にはゴアテックス素材が使われています。
     
    ゴアテックス素材は水滴が通過できないほど小さく、水蒸気の分子(目に見えない小さな分子)より大きいという構造から、外からの水の侵入は防ぐのに、湿気の放出はできるという機能を持ちます(それも水蒸気の分子を一方通行にすることが可能!)。アウトドア用品のジャケット等でゴアテックス素材が多用されるのは、汗の水蒸気だけ逃してくれるこの機能を活用しています。
     
    つまり、ペリカンケース内に乾燥剤を入れておくことで(←ここ重要※)ケース内の除湿と、その保持が可能となる訳です。密閉性が高いペリカンケースならではですね。
     

    ※たまにペリカンケースに保管するだけで除湿が可能と考えている方がいますが、除湿には乾燥剤を入れる必要があります。前述のようにペリカンケースは自動気圧調整バルブのゴアテックス素材により空気圧と共に湿気のコントロールを行なっています。空気は暖かい空気が冷たい空気の方に移動する性質が知られていますが、ゴアテックスはこの性質を利用した構造の為、ケース内の湿気を外に放出するには、ケース内の温度がケース外の空気よりも高くないと作用しません。アウトドア用品のジャケットならウェアを着ている人間の体温で温められますが、ペリカンケース内ではそういう訳には行きませんので、乾燥剤を入れて内部の湿度を強制的に下げる必要があります(そしてゴアテックスが持つ一方通行の透湿性によりケース内の湿度は保たれるという仕組みです)。

    ※用いる乾燥剤は100円ショップのもので十分と考えます。乾燥剤はその種類によって性能が大きく変わりますが、ケース内の容量は限りある為、効率よく除湿ができ、小さな乾燥剤でも効果はバツグンです♪
     

    ペリカン1040ケース

    私が愛用しているのはペリカン1040(外寸191mm × 129mm × 54mm)。FOSTEXのTE100RやTE200に付属するペリカン1010ケースより大きなケースです。
     
    私はイヤホン「KZ ZAX」ポータブルDAC「SHANLING UA2」、そしてJIALAI「JLH2」という太めのリペアケーブルを組み合わせている関係から、ペリカン1010ケースでは窮屈なため、やや大きいですがペリカン1040ケースを用いています。

    SHANLING UA2 Portable DAC

    ペリカンケースをイヤホンの収納に用いる際に1つご注意いただきたいのは、ケース開閉時にイヤホンのケーブルを挟まないよう注意が必要な点です。ペリカンケースの開閉ラッチはテコの原理で強力にガッチリ閉まるので万が一にもケーブルを挟み込むと断線してしまいますからね。
      
    イヤホンに拘って大金を払う方は少なくないと考えますが、意外にケースは見落とされがち。ペリカンケースなら数千円で最高の性能を約束してくれますので、イヤホン愛好家の皆さんにオススメします。〔了〕


    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です